まちぼうけの日々

まちぼうけて2代目。

映画ドラえもん のび太の南極カチコチ大冒険

ドラえもんの映画は「新・のび太の大魔境」(2014)以来3年ぶり。
なぜ見に行こうと思ったのかについては去年末にtwitterでヒョーゴノスケ氏作のビジュアルポスター画像の付いた本人のtweetが流れてきたことがきっかけ。
最初は「なんだかえらくシンプルだな」くらいな印象ではあったけど、その後出てくる数々の上映前情報等で「これはいつもとは違った作品になるのでは」と思い思い切って見に行った。


案の定今まで見てきたドラえもん映画とは違ったアプローチで非常に楽しめた。
今までのだとどうも分かりやすい勧善懲悪系だったり、いわゆる「映画におけるジャイアンの格好良さ」が注目されがちではあるけど、今回はこういった事が特に大きくなく、
むしろ現実にある「南極」と「氷」、それと「古の時代」の3点を綺麗に結んで描いたなという印象だった。
どの作品に似ているかというと例えづらいが、2013年に公開されたひみつ道具博物館に近いのかも。


特に先のジャイアンに至ってはドラえもんが二人いるシーンでどちらが本物かを当てるシーンでたった一言、
「じゃあのび太が決めろよ!一番長く一緒にいるから分かるだろ!」
だけ。凝縮されてて深い。


今作に出てくる動物の「パオパオ」、最初見た段階ですごい既視感を感じたけど、「宇宙開拓史」に出てたね。動きもそっくり。
そしてゲストキャラクターの二人は氷河をもじった「ヒョーガヒョーガ星」の住人。
この辺りは考察好きな人たちが色々と盛り上がる事でしょう。特定の星の動物ではないとはいえ、良い感じに登場させたりするんだなあ。


そんな中家に帰ってからタイトルから色々と調べていたらこんな記事を見つけた。

水田:今回の舞台は恐竜の時代とは違って、今実際にある場所だけど、へたしたら何年後かに行けるかもしれないじゃないですか。そういうところを舞台にしたっていうのが新しい手法だなと思って、スタッフさんたちも大冒険しているなと思いました(笑)。

――今回の作品も見どころがたくさんあるかと思いますが、特におすすめのシーンを教えてください。

水田:今回の作品は、音楽のテイストが今までと明らかに違うので、今までドラえもんの映画を観てくださった方は圧倒されると思います。音楽でこんなにひとつのシーンが引き締まるのかというぐらい、作品の見どころのひとつになっていますね。

ドラえもん役・水田わさびさんが『映画ドラえもん』の魅力を語る - アニメイトタイムズ

今作は特に音楽が今までの作品とは違ってかなり違っていた印象があったけど、やっぱりそうだったんだ。
今までの覚えている限りの作品ではアニメ版のをそのまま流用している事がごく当たり前だった中、あえてオーケストラ調な緊迫感を盛り上げるような音楽を多用していたりと、今までの演出から大きく挑戦をした作品であったんだなと。
むしろそれがとても良い形となったので、とても新鮮な作品だった。このままサウンドトラック化しても良いのではというくらいに。
(多分楽曲数は少ないだろうけど)


これは今までの作品の中では若干異質な存在になりえそうではあるけど、少なくとも私の中ではかなり記憶に残る作品だった。


ちなみに恒例となった次回作の雰囲気を匂わせるエンドロール後の挨拶がどう見ても南海大冒険だったので本当だったら見に行くしかないでしょう。
生まれて初めての映画であり最初に見たドラえもん映画がまさにこれだったので。